今回はオーナー様より老朽化した木造アパートの取り壊しについて相談を受けましたので書かせて頂きます。

今回は5年という期間がありますので、焦らずに立ち退き交渉を行う事が出来ます。1年や2年といった期間ですと、もっと面倒になりますので、

少しでも取り壊しの考えが出てきたら、前もって準備しておくことが大切になります。

木造アパートの取り壊し

Q.45年の木造アパートの取り壊しを5年後に考えています。

知人から『立ち退き交渉が大変だから、覚悟しておいたほうがいい』と言われました。

現在は10室中4戸が空室です。今から準備しておくことはありますでしょうか?

 

既存の6戸は普通借家契約

5年後に取り壊したいからという理由で、更新しないで退去して欲しいと要望する時は、正当な理由になりません

貸主から契約を解除する時には正当な理由が必ず必要になってきます。

築45年なので壊したいという要望は『正当な理由にならないのか?』と疑問に思うでしょうが、

当然のように認められるものではない』というのが私の答えです。

判例からもそのような判決がでています。

 

建物が老朽化してきたら二者択一

老朽化が進んで、このままでは地震等で建物が崩壊して住人の命に危険が及ぶとしたら、放置しておくことはオーナー様のリスクとなります。

費用をかけて補修工事を行うか、取り壊すかの2者択一となります。

オーナー様は取り壊しを選択すると思いますが、入居者は補修工事を要望すると思われます。

築45年と古いアパートに住んでいる方々は、簡単に次のお部屋を見つけることが出来ないと思われるからです。

入居者の意向を無視して、『2年の普通借家契約だから』という理由で賃貸借契約を解除することはできません

 

借主が納得してくれれば問題はない

もちろんこの申し出に借主さんが応じてくれれば、何の問題もありません。

立ち退き料を用意する必要もありません。ですがほとんどこういったケースはありません。

次で応じてくれない場合の対処方法について説明させて頂きます。

 

借主が応じてくれない場合

借主が退去しないとなった時は『立ち退き交渉』が始まります。

立退料に相場はありませんが、次の入居先の初期費用+引っ越し費用+迷惑料が実費負担となるのが一般的です

稀に立ち退き料を全く支払わないで、一方的に退去しろというオーナー様がいらっしゃいますが、

もし裁判になった時に、オーナー様はかなり不利になります

前述したように裁判の判断基準に『貸主に正当理由があるか』が基準になります。

裁判にならないように、対面して誠意をもって話し合うことが大事になります

 

今から準備しておくこととは

まずは現在空室中の4戸を『5年を期限とした定期借家契約にする』ことです。

このようにすれば、新規の借主さんは、5年後に正当理由なしで解約することができます。

立退料も不要になります。※壊す1年前には解約の意思表示を書面でして下さい

そして次に行う事は、既存の入居者さんの契約を『更新のタイミングで定期借家契約に切り替える』交渉をします。

こうすることで同様に、5年後には正当理由なしで解約することができます。

 

定期借家はあまり知られていない

定期借家』は2000年に施行されましたが、まだまだあまり知られていない契約形態ですので、

入居者さんにちゃんと理解してもらえるように説明し、充分に納得したもらった上で契約をするようにして下さい。

交渉した経緯は後々に必要になるかもしれないので、しっかり証拠として残しておきましょう。

簡単な交渉ではありませんが、入居者さんからしても簡単に追い出されては困るので、折り合いがつくまで話し合いましょう。

 

定期借家契約の注意点

2000年3月1日より前に最初の契約を行っている借主さんには定期借家契約への切り替えが認められていません。

<経過措置>

①定期借家制度は、平成12年3月1日から施行されていますが、それよりも前に締結された賃貸住宅契約の更新については「なお、従前の例による」

とされ、契約の更新は従来どおり行われます。

②定期借家制度導入前に締結された賃貸住宅契約は、借主保護の観点から、

借主と賃貸住宅が同一の場合、当分の間、定期賃貸住宅契約への切替えは認められていません。

 

以上が老朽化して立ち退き交渉をする時の流れと注意点になります。

いつかは建物を取り壊す時が、必ずくるので、前もって準備して計画を練っておけばスムーズに立ち退き交渉が出来ます。

オーナー様は借主様に今まで住んでいてくれ、ありがとうという気持ちを忘れてはなりません。

誠意をもって対峙すれば入居者様もわかってくれると思います。

 

この記事を書いた人⇒アゾウ不動産販売株式会社

投稿者プロフィール

azousan
azousan代表取締役
アゾウ不動産販売㈱代表の阿座上です。東京都府中市で小さな不動産屋を営んでおります。京王線東府中駅周辺に特化して営業に励んでおります。毎日オーナー様向けに様々な情報を提供して行けるようにブログを書いています。ご興味が少しでもお有りでしたら読んで頂けると幸いです。自社の公式ブログではお客様向けのコンテンツを発信しています。